
千葉県成田市に鎮座する「成田山新勝寺(なりたさん しんしょうじ)」は、「成田のお不動さま」として全国的に知られる真言宗智山派の大本山です。
特に、僧侶が不動明王の前で火を焚いて祈願する「御護摩(おごま)祈祷」は非常に有名で、開運厄除や心願成就を願う多くの参拝者で日々賑わっています。広大な境内には重要文化財に指定されたお堂も多く、見どころが満載です。
この記事は、成田山新勝寺の公式サイトおよび関連情報を基に、成田山新勝寺の魅力と参拝情報を網羅的に解説します。 ご利益、歴史、境内の見どころから、御朱印やお守り、周辺のグルメ情報まで詳しくご紹介します。
成田山新勝寺とは?まず知りたい基本情報
成田山新勝寺は、年間1,000万人以上が訪れる日本有数の寺院です。特に正月三が日の初詣参拝者数は、全国でもトップクラスを誇ります。まずは、参拝前に知っておきたい基本情報を確認しましょう。
| 【項目】 | 【お寺情報】 |
| 山号・寺号 | 成田山 新勝寺(なりたさん しんしょうじ) |
| 所在地 | 〒286-0023 千葉県成田市成田1番地 |
| 宗派 | 真言宗智山派(大本山) |
| 御本尊 | 不動明王(ふどうみょうおう) |
| 主なご利益 | 開運厄除、家内安全、商売繁昌、交通安全、心願成就、縁結び など |
| 創建 / 開山 | 天慶3年(940年) / 寛朝大僧正(かんちょうだいそうじょう) |
| 参拝・拝観時間 | 境内は終日開放(24時間) ※諸堂の開堂、御護摩・御朱印・お守り等の受付は概ね8:00~16:00 |
| 拝観料 | 境内無料(入山無料) ※一部の施設(書道美術館など)は別途入館料が必要な場合があります。 |
| 公式サイト | https://www.naritasan.or.jp/ |
成田山新勝寺の御本尊(ごほんぞん)とご利益
御本尊:不動明王
成田山新勝寺の御本尊は、不動明王です。お不動さまは、恐ろしい形相(忿怒相)をしていますが、これは人々を力ずくで災いや迷いから救い出し、正しい道へと導こうとする慈悲の心の表れとされています。
その手には、迷いを断ち切る「利剣(りけん)」と、人々を救い上げる「羂索(けんさく)」という縄を持っています。
主なご利益
成田山のご利益は、御本尊・不動明王の強力な力によるもので、その中心が「御護摩祈祷」です。
- 開運厄除・厄難消除: 最も有名で、人生の節目や日々の災いを取り除くとされます。
- 家内安全・商売繁昌: 家庭や仕事の安泰と発展を祈願します。
- 交通安全: 車の安全祈祷も広く行われています。
- 心願成就: さまざまな願い事が叶うとされています。
このほか、境内には縁結び(愛染明王)や健康長寿(薬師如来)など、さまざまなお堂があり、多様なご利益をいただけます。
成田山新勝寺の歴史と縁起(えんぎ)
成田山新勝寺の歴史は、平安時代中期の「平将門の乱」に遡ります。
天慶2年(939年)、乱の平定を願った朱雀天皇の勅命により、寛朝大僧正(かんちょうだいそうじょう)は、弘法大師空海が敬刻開眼した不動明王像を奉じて、関東の地(現在の成田市公津ヶ原)へ下りました。
寛朝大僧正が不動明王像の前で平和を祈る御護摩祈祷を行ったところ、祈祷の最終日に乱が平定されたと伝えられています。
乱が収まった後、寛朝が京へ戻ろうとすると、不動明王像が「我が願いは尽きることなく、この地にとどまりて、永く衆生を済度せん(助けよう)」と告げ、動かなくなりました。これを聞いた天皇は深く感動し、天慶3年(940年)にこの地に寺院を建立させ、「新勝寺」の寺号を授けたのが始まりです。
成田山新勝寺の境内の見どころ
非常に広大な境内には、国の重要文化財に指定された5つのお堂をはじめ、見どころが数多く点在しています。
総門(そうもん)

2008年に建立された、参拝者を最初に出迎える荘厳な門です。総欅(けやき)造りで、高さは15メートルにも及びます。
仁王門(におうもん)(重要文化財)

総門をくぐり、急な階段を上った先にあるのが仁王門です。1831年に再建された重要文化財で、門の左右には阿吽(あうん)の金剛力士像が安置されています。門の中央に吊るされた「魚がし」と書かれた大提灯は、東京・築地の魚河岸講から奉納されたものです。
大本堂(だいほんどう)

仁王門の先にある、成田山で最も重要な御護摩祈祷が行われる中心道場です。現在の建物は1968年に建立されました。誰でも堂内に上がって、厳かな御護摩祈祷に参列することができます。
三重塔(さんじゅうのとう)(重要文化財)

1712年に建立された、高さ25メートルの美しい塔です。内部には五智如来が奉安されており、周囲には精巧な彫刻が施されています。
釈迦堂(しゃかどう)(重要文化財)

1858年に建立された「旧本堂」です。現在は「開運厄除」のお祓い祈祷所となっています。壁面には、江戸時代末期の見事な五百羅漢や二十四孝の彫刻が施されており、一見の価値があります。
成田山新勝寺の主なお堂
大本堂のほかにも、様々なご利益をいただけるお堂が点在しています。
光明堂(こうみょうどう)(重要文化財)

釈迦堂のさらに前、1701年に建立された「旧々本堂」です。大日如来、不動明王と共に「愛染明王(あいぜんみょうおう)」が奉安されており、縁結び・恋愛成就のパワースポットとしても人気を集めています。
醫王殿(いおうでん)
2017年に建立された比較的新しいお堂で、「薬師如来(やくしにょらい)」をお祀りしています。健康長寿・病気平癒のご利益をいただけます。
出世稲荷(しゅっせいなり)

商売繁昌、開運成就、火伏せ(火災除け)のご利益があるとされるお稲荷様です。江戸時代に佐倉藩主・稲葉正通が篤く信仰し、出世を遂げたことから「出世稲荷」と呼ばれるようになりました。
平和の大塔(へいわのだいとう)

境内の最も奥にそびえ立つ、高さ58メートルの巨大な塔です。真言密教の教えを象徴する塔であり、内部には不動明王や昭和史の展示、写経道場などがあります。
成田山新勝寺の御朱印とお守り・授与品

御朱印の種類と受付時間・志納料
成田山新勝寺では、参拝の証として複数の御朱印をいただくことができます。
- いただける場所(全6種類):
- 大本堂(御本尊:不動明王)
- 平和の大塔(不動明王)
- 釈迦堂(釈迦如来)
- 光明堂(大日如来)
- 醫王殿(薬師如来)
- 出世稲荷(茶枳尼天)
- 受付時間: 概ね 8:00 ~ 16:00
- 志納料(初穂料): 各500円
御朱印帳もオリジナルデザインのものが用意されています。
おすすめのお守り・授与品
成田山には約50種類ものお守りがあります。
- 御護摩札(おごまふだ): 御護摩祈祷を受けた証として授与されるお札で、最も代表的な授与品です。
- 身代御守(みがわりおまもり): 一番人気のお守りです。不動明王が身代わりとなって、あらゆる災難から守ってくれるとされています。
- 交通安全守: 車を運転する方に人気のお守りです。
その他、厄除け、開運、縁結び、健康長寿など、願いに応じた多様なお守りが揃っています。
成田山新勝寺へのアクセス・駐車場情報
電車でのアクセス

JR「成田駅」東口より徒歩 約10分

京成「京成成田駅」西口より徒歩 約10分
どちらの駅からも、賑やかな「成田山表参道」を通って向かいます。
バスでのアクセス
成田空港からお越しの場合は、JRまたは京成電鉄を利用するのが便利です。
車でのアクセス・駐車場

- 車でのアクセス: 東関東自動車道「成田IC」より約10分~15分
- 駐車場:
- 成田山新勝寺には専用の参拝者用駐車場はありません(または台数が限られ、祈祷者専用の場合があります)。
- 寺院総門のすぐ近くにある「門前駐車場」(有料:1回800円~1,000円程度)や、周辺の市営駐車場、民間のコインパーキングを利用するのが一般的です。
- 正月や土日祝日は大変混雑するため、公共交通機関の利用をおすすめします。
Googleマップ
[千葉県成田市成田1番地]成田山新勝寺とあわせて巡りたい周辺スポット
成田山新勝寺の参拝とあわせて楽しみたいのが、JR・京成成田駅から続く約800メートルの「成田山表参道」です。

おすすめランチ・カフェ(成田山表参道)
成田山表参道グルメといえば、何といっても「うなぎ料理」です。 江戸時代から参拝客をもてなしてきた歴史があり、多くの老舗・名店(「川豊」「駿河屋」「菊屋」など)が軒を連ねます。店頭でうなぎを捌き、炭火で焼く香ばしい匂いが食欲をそそります。

また、「後藤だんご屋」などの甘味処や和カフェも多く、参拝後の休憩にぴったりです。
立ち寄り観光スポット

- 成田山表参道での食べ歩き: 「甘太郎焼(今川焼)」や、焼きたての「おせんべい」、地元の漬物など、食べ歩きグルメも豊富です。
- 成田山公園: 大本堂の裏手に広がる広大な公園です。梅や紅葉の名所としても知られ、四季折々の自然の中で散策を楽しめます。
まとめ:成田山新勝寺で開運厄除のご利益をいただこう

千葉県成田市にある成田山新勝寺は、不動明王の強力なご利益を賜れる「御護摩祈祷」で知られる日本有数の霊場です。広大な境内には歴史ある重要文化財のお堂が点在し、見どころも尽きません。
参拝後は、名物のうなぎ料理や食べ歩きが楽しい表参道散策もあわせて楽しむことができます。ぜひ成田山を訪れ、お不動さまの力強いご利益をいただいてみてはいかがでしょうか。
成田山新勝寺に関するよくある質問(FAQ)
(Q) 御護摩(ご祈祷)は予約が必要ですか? (A) いいえ、個人での御護摩祈祷に予約は不要です。当日、大本堂内または光輪閣総受付所で、開始時間の15分程前までに申し込みを済ませてください。御護摩は1日に複数回(時間帯による)行われています。
(Q) ペット(犬)と一緒にお参りできますか? (A) はい、リードを着用すれば境内(屋外)はペット同伴でのお参りが可能です。ただし、大本堂や諸堂など、すべての建物内への立ち入りはご遠慮ください。
(Q) 駐車場はありますか? (A) 寺院専用の一般参拝者用駐車場はありません。 総門近くにある民間の「門前駐車場」(有料)や、周辺の市営駐車場、コインパーキングをご利用ください。土日祝日や初詣期間は大変混雑するため、公共交通機関の利用が推奨されます。