東京都足立区にある西新井大師は、「関東三大厄除大師」の一つとして古くから厚い信仰を集める寺院です。特に厄除けのご利益で知られ、新年や節分、厄年の方々をはじめ、年間を通じて多くの参拝者が訪れます。また、境内は「花の寺」としても有名で、牡丹や藤など四季折々の花々が参拝者の目を楽しませてくれます。 この記事は、西新井大師の公式サイトおよび関連情報を基に、その歴史とご利益、境内の見どころ、さらには御朱印やお守り、アクセス情報まで、参拝前に知っておきたい情報を網羅的に解説します。
西新井大師とは?まず知りたい基本情報
西新井大師は、真言宗豊山派の寺院で、正式名称を「五智山 遍照院 總持寺(ごちさん へんじょういん そうじじ)」といいます。約1200年の長い歴史を持ち、厄除けと弘法大師信仰の中心地として、地元の人々からは親しみを込めて「お大師さま」と呼ばれています。
| 【項目】 | 【お寺情報】 |
| 山号・寺号 | 五智山 遍照院 總持寺 |
| 所在地 | 〒123-0841 東京都足立区西新井1-15-1 |
| 宗派 | 真言宗豊山派 |
| 御本尊 | 十一面観世音菩薩、弘法大師 |
| 主なご利益 | 厄除け、方位災難除け、家内安全、商売繁盛 |
| 創建 / 開山 | 天長3年(826年) / 弘法大師(空海) |
| 参拝・拝観時間 | 9:00~16:30 |
| 拝観料 | 境内無料 |
| 公式サイト | https://www.nishiaraidaishi.or.jp/ |
西新井大師の御本尊(ごほんぞん)とご利益
御本尊:十一面観世音菩薩と弘法大師
西新井大師では、「十一面観世音菩薩」と、宗派の開祖である「弘法大師(空海)」の二体を御本尊としてお祀りしています。これは、寺院の縁起(後述)に深く関わっています。
主なご利益
西新井大師の最も知られたご利益は「厄除け」です。川崎大師、観福寺(千葉県)と並び「関東三大厄除大師」と称され、特に江戸時代には女性の厄除け祈願所として篤い信仰を集めました。 現在も、厄年の方の厄祓い(御護摩祈祷)はもちろん、方位災難除け、家内安全、商売繁盛など、さまざまな願いを込めて多くの人々が訪れます。
イボ取りのご利益?「塩地蔵」
境内には「塩地蔵(しおじぞう)」と呼ばれるお地蔵様が祀られています。江戸時代から「イボ取り」にご利益があるとされ、御堂にある塩をいただいて患部にすり込むと功徳があると伝えられています。無事にイボが取れた際には、感謝を込めて倍の塩をお返しするという習わしがあり、お地蔵様は常にたくさんの塩で覆われています。
西新井大師の歴史と縁起(えんぎ)
西新井大師の歴史は、平安時代の天長3年(826年)に遡ります。 当時、この地で悪疫が流行し、村人たちが苦しんでいました。関東巡錫(じゅんしゃく)の折にこの地を訪れた弘法大師は、人々を救うため、自ら「十一面観世音菩薩像」と自身の像(弘法大師像)を彫りました。 そして、観音像を本尊とし、自身の像を安置した枯れ井戸の前で二十一日間の護摩祈願を行ったところ、病はたちまち平癒し、枯れ井戸からは清らかな水が湧き出たと伝えられています。 この霊験あらたかな井戸が、当時のお堂の「西側」にあったことから、「西新井」という地名の由来になったといわれています。
西新井大師の境内の見どころ
広大な境内には、歴史ある建造物や美しい自然など、多くの見どころがあります。
山門(さんもん)
江戸時代後期に建立された荘厳な山門が参拝者を迎えます。左右には勇壮な金剛力士(仁王)像が安置されており、門に施された十二支や獅子頭などの精緻な彫刻も見事です。
大本堂(だいほんどう)
御本尊をお祀りする中心的なお堂です。昭和41年(1966年)の火災で焼失しましたが、昭和46年(1971年)に再建されました。毎日、厄除けの御護摩祈祷がここで行われています。
塩地蔵(しおじぞう)
前述の通り、イボ取りにご利益があるとされるお地蔵様です。山門をくぐってすぐ左手にあり、塩に埋もれた独特の姿が目を引きます。
花の寺(牡丹園・藤棚)
西新井大師は「花の寺」としても有名です。「西の長谷寺(奈良県)、東の西新井」と称されるほどの牡丹の名所で、境内には約100種2,500株の牡丹が植えられています。 また、4月下旬頃には樹齢700年ともいわれる藤棚が見事な花を咲かせ、多くの花見客で賑わいます。
四国八十八箇所お砂踏み霊場
大本堂の裏手には、四国八十八箇所の各霊場の砂が納められたお砂踏み霊場があります。ここを巡ることで、実際に四国を巡礼したのと同じご利益がいただけるといわれています。
西新井大師の塔頭(たっちゅう)や主なお堂
三匝堂(さざえどう)
天保11年(1840年)に創建された、朱塗りが鮮やかなお堂です。内部が螺旋構造になっている仏堂を「さざえ堂」と呼びますが、この三匝堂は東京都内に現存する唯一のさざえ堂として貴重な存在です。
不動堂(ふどうどう)
大本堂の左手に位置し、御本尊の「大願成就 不動明王」が祀られています。厄除けと並び、強い願いを叶える仏様として信仰されています。
如意輪堂(にょいりんどう)(女人堂)
江戸時代、女性の厄除け祈願所として信仰を集めたことから「女人堂」とも呼ばれます。縁結び、安産、子育てにご利益があるとされています。
西新井大師の御朱印とお守り・授与品
御朱印の種類と受付時間・志納料
西新井大師では、主に2種類の御朱印をいただくことができます。
- 「厄除 弘法大師」(御本尊)
- 「大願成就 不動明王」(不動堂)
このほか、「東国花の寺百ヶ寺 東京1番」の御朱印など、霊場札所の御朱印もあります。 志納料はそれぞれ300円です。受付は、山門近くの授与所にて、参拝時間内(9:00~16:30)で対応されています。
おすすめのお守り・授与品
山門近くの「札守授与所」では、さまざまなお守りや授与品をいただくことができます。 一番人気はやはり「厄除守」(800円)です。そのほか、「金運守」(800円)や交通安全、安産、学業成就、さらには「ぼけ封じ御守」やランドセル型をした「ランドセル御守」など、多種多様なお守りが揃っています。
西新井大師へのアクセス・駐車場情報
電車でのアクセス
- 東武大師線「大師前駅」下車、徒歩約5分
- (東武スカイツリーライン「西新井駅」で大師線に乗り換えて1駅です)
バスでのアクセス
周辺には「西新井大師」バス停があり、各方面からアクセス可能です。
- JR「赤羽駅」東口より:国際興業バス [赤27]「西新井大師」行き
- 東武・JR「北千住駅」より:東武バス [北01]または[北03]「西新井大師」行き
- JR「池袋駅」東口より:都営バス [王40甲]「西新井駅前」行き(「西新井大師」下車)
車でのアクセス・駐車場
- 首都高速 中央環状線「加平I.C.」または「扇大橋I.C.」より約15分
- 首都高速 川口線「鹿浜橋I.C.」より約10分
駐車場: 境内に参拝者用の有料駐車場(約40台)がありますが、正月や縁日(毎月21日)、行事の際は大変混雑し、利用できない場合もあります。 満車の場合は、大師前駅や環状7号線沿いなど、周辺のコインパーキングをご利用ください。
Google地図
[東京都足立区西新井1-15-1]西新井大師とあわせて巡りたい周辺スポット
おすすめランチ・カフェ
西新井大師の参道には、古くからのお店が軒を連ねます。
- 名物「草だんご」: 参道には「清水屋」や「中田屋」など、草だんごの有名店があります。参拝後の休憩やお土産に最適です。
- カフェ・サンクチュアリ: 大師前駅近くにある人気のカフェ。焼き立てのワッフルや、メディアでも紹介された「サバサンド」が名物です。
立ち寄り観光スポット
- 西新井大師 参道: 草だんご屋のほか、煎餅屋(いずみや)など、昔ながらの風情が残る参道を散策するのも楽しみの一つです。
まとめ:西新井大師で厄除けと「花の寺」のご利益をいただこう
「関東三大厄除大師」として知られる西新井大師は、厄除けや方位除けを願う人々にとって、東京で最も頼れる寺院の一つです。また、牡丹や藤が咲き誇る「花の寺」として、心を癒やす美しい景観も魅力です。 歴史ある境内の見どころを巡り、力強い厄除けのご利益と、四季折々の自然の恵みをいただきに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
西新井大師に関するよくある質問(FAQ)
(Q) 駐車場はありますか? (A) はい、境内に参拝者用の有料駐車場(約40台)がございます。ただし、正月や縁日、行事の際は混雑や交通規制で利用できない場合が多いため、公共交通機関の利用をおすすめします。満車の場合は周辺のコインパーキングをご利用ください。
(Q) 参拝時間は何時から何時までですか? (A) 参拝時間は午前9時から午後4時30分までです。お守りや御朱印の授与、ご祈祷の受付もこの時間内となります。
(Q) ご祈祷(御護摩)は予約が必要ですか? (A) いいえ、御護摩祈祷の事前予約は不要です。当日に大本堂の受付にてお申し込みください。御護摩が焚かれる時間は公式サイトに毎日掲載されていますので、開始時間の10分~20分前までに受付を済ませられるよう、時間を確認してから向かうとスムーズです。