JR恵比寿駅の西口からほど近い、賑やかな飲食店街の一角に静かに鎮座する「恵比寿神社」。恵比寿という地名の由来にも深く関わるこの神社は、商売繁盛のご利益を求める人々や、地域の産土神(うぶすなのかみ)として地元の人々に親しまれています。この記事は、恵比寿神社の歴史的背景や関連情報、現地の案内を基に、恵比寿神社の魅力と参拝情報を網羅的に解説します。
恵比寿神社とは?まず知りたい基本情報
恵比寿神社は、その名の通り「えびす様」をお祀りしていますが、その歴史は非常に古く、元々は「大六天 天津神社」と呼ばれていました。恵比寿の地名の発展とともに、現在の社名に改称された経緯があります。
| 【項目】 | 【神社情報】 |
| 正式名称 | 恵比寿神社(旧称:天津神社) |
| 所在地 | 東京都渋谷区恵比寿西1-11-1 |
| 御祭神 | えびす様(事代主神)、大六天神(神世七代の六神) |
| 主なご利益 | 商売繁盛、家内安全、五穀豊穣 |
| 創建 | 古伝:景行天皇の時代(ヤマトタケルノミコトによる) (昭和34年に「えびす様」を合祀し改称) |
| 参拝時間 | 24時間参拝可能 |
| 授与所時間 | 平日 11:00~17:00 (※神社境内ではない) |
| 公式サイト | なし |
恵比寿神社の御祭神とご利益
主祭神:えびす様と大六天神
恵比寿神社には、大きく分けて二系統の神様が祀られています。
- えびす様(事代主神) 七福神の一柱として広く知られる、商売繁盛・福徳円満の神様です。昭和34年に、えびす様の総本社である兵庫県の西宮神社から勧請(かんじょう:神様の御霊をお迎えすること)されました。
- 大六天神(だいろくてんじん) 古くからこの地をお守りしてきた地主神であり、天津神社の御祭神です。日本神話の「神世七代(かみよななよ)」のうち六柱の神々を指し、国土安泰や五穀豊穣の神徳を持つとされています。
主なご利益
恵比寿神社は、これら二系統の神様が合祀されていることから、以下のご利益が特に知られています。
- 商売繁盛: 「えびす様」のご神徳として、最も有名です。
- 家内安全: 地域の産土神として、家庭の平和と安全を守護します。
- 五穀豊穣: 「大六天神」のご神徳に基づきます。
恵比寿神社の歴史と由緒
恵比寿神社の歴史は非常に古く、その起源は景行天皇の時代(約二千年前)に遡ると伝えられています。
古伝によれば、東国平定の途中にあったヤマトタケルノミコト(日本武尊)がこの地に立ち寄り、神世七代の六天神(大六天神)を祀ったことが「天津神社」の始まりとされています。
江戸時代までは、この地は「天津神社」として地域の信仰を集めていました。明治時代に入り、近くに「ヱビスビール」の工場(現在の恵比寿ガーデンプレイスの場所)が建設されると、工場で働く人々やその家族が移り住み、「恵比寿」という地名が定着していきました。
そして昭和34年(1959年)、街のさらなる発展を願い、この地名にちなんで兵庫県の西宮神社から「えびす様」を勧請し合祀。社名を「天津神社」から「恵比寿神社」へと改称し、現在の姿となりました。
恵比寿神社の境内の見どころ
恵比寿神社は都心にあるため境内はコンパクトですが、その歴史を感じさせる見どころがあります。
歴史を刻む鳥居と社殿
入り口に立つ鳥居は、賑やかな通りと神域を分ける結界となっています。奥に進むと、落ち着いた佇まいの社殿が姿を現します。この社殿に、古くからの「大六天神」と、後に合祀された「えびす様」が共にお祀りされています。二つの異なるルーツを持つ神様が一つの社に祀られている点に、この神社のユニークな歴史が表れています。
恵比寿の町の変遷を見守る狛犬
社殿を守るように鎮座する狛犬も見どころの一つです。長い年月にわたり、恵比寿の町の移り変わりと参拝者を見守ってきた存在であり、その表情からは力強さと歴史の重みを感じ取ることができます。
恵比寿神社の御朱印とお守り
御朱印の種類と受付時間
恵比寿神社の御朱印は、神社境内ではいただけませんのでご注意ください。
神社の近く、駒沢通りとの交差点にある「恵比寿商店街会館」の1階で授与されています。
- 受付場所: 恵比寿商店街会館 1階(東京都渋谷区恵比寿西1-11-1)
- 受付時間: 平日のみ 11:00~17:00
- 注意点: 土曜日、日曜日、祝日は対応していません。
おすすめのお守り
御朱印と同じく、恵比寿商店街会館にてお守りも授与されています。商売繁盛の「えびす様」にちなんだお守りなどが人気です。
恵比寿神社へのアクセス・駐車場情報
電車でのアクセス
- 東京メトロ 日比谷線「恵比寿駅」 2番出口より徒歩約2分
- JR山手線・埼京線「恵比寿駅」 西口より徒歩約5分
駅からのアクセスが非常に便利な立地です。
車でのアクセス・駐車場
恵比寿神社には、参拝者専用の駐車場はありません。 お車でお越しの場合は、神社周辺のコインパーキングをご利用ください。ただし、道が狭く一方通行の多いエリアですので、公共交通機関の利用を強くおすすめします。
Googleマップ
恵比寿神社とあわせて巡りたい周辺スポット
参拝後は、魅力あふれる恵比寿の町を散策してみてはいかがでしょうか。
おすすめランチ・カフェ
恵比寿駅周辺は、日本有数のグルメタウンです。
- カフェ アクイーユ 恵比寿: ボリューム満点のパンケーキが有名なおしゃれカフェ。
- イエローカンパニー: 濃厚なスープカレーが楽しめる人気店。
- その他、ラーメン激戦区としても知られ、隠れ家的なビストロや和食店も多数点在しています。
立ち寄り観光スポット
- 恵比寿ガーデンプレイス: 恵比寿神社の「えびす様」勧請のきっかけとなったヱビスビールの工場跡地。現在は「恵比寿麦酒記念館」やレストラン、ショッピング施設が集まる複合施設です。
- 東京都写真美術館: 恵比寿ガーデンプレイス内にあり、写真や映像専門の公立美術館として多彩な企画展が開催されています。
まとめ:恵比寿神社で商売繁盛と地域のご神徳をいただこう
恵比寿駅近くに鎮座する恵比寿神社は、ヤマトタケルノミコトゆかりの「大六天神」と、商売繁盛の「えびす様」が共に祀られた、古い歴史と新しい町の活気が融合する神社です。アクセスも良く、気軽に立ち寄れるパワースポットとして、日々の感謝や商売繁盛の祈願に訪れてみてはいかがでしょうか。
恵比寿神社に関するよくある質問(FAQ)
(Q) 御朱印はどこでいただけますか? (A) 神社境内ではなく、近くの「恵比寿商店街会館」(渋谷区恵比寿西1-11-1)の1階にて、平日11:00~17:00にいただけます。土日祝は対応していませんのでご注意ください。
(Q) 駐車場はありますか? (A) 専用駐車場はありません。公共交通機関のご利用が便利ですが、お車の場合は周辺のコインパーキングをご利用ください。
(Q) ペットと一緒にお参りできますか? (A) 多くの神社では、神域へのペットの同伴を禁止または制限しています。恵比寿神社での明確な規定は見当たりませんでしたが、他の参拝者への配慮や神様への敬意を払い、ご遠慮いただくのが無難です。