東京都新宿区、四谷の閑静な住宅街に鎮座する「須賀神社(すがじんじゃ)」。江戸初期より四谷の鎮守様として厚い信仰を集めてきました。
近年では、大ヒットしたアニメ映画「君の名は。」のラストシーンに登場する「赤い手すりの階段」がある神社として、国内外から多くのファンが訪れる”聖地”としても有名です。
しかし、その魅力は聖地巡礼だけではありません。この記事では、須賀神社の公式サイトおよび関連情報を基に、強力なご利益として知られる「災難除け」や主祭神、歴史、境内の見どころ、限定の御朱印やお守り、アクセス方法まで、須賀神社の魅力を網羅的に解説します。
須賀神社とは?まず知りたい基本情報
須賀神社は、江戸時代から続く四谷十八ヵ町の総鎮守です。その歴史は古く、二つの神社が合わさって現在の形となりました。まずは基本情報を確認しましょう。
| 【項目】 | 【神社情報】 |
| 正式名称 | 須賀神社 (すがじんじゃ) |
| 所在地 | 〒160-0018 東京都新宿区須賀町5 |
| 御祭神 | 須佐之男命(すさのおのみこと)、宇迦能御魂命(うかのみたまのみこと) |
| 主なご利益 | 災難除け、厄除け、開運招福、商売繁盛、金運招福 |
| 創建 | 寛永11年(1634年) |
| 参拝時間 | 開門 午前6:00、閉門 午後5:00 (※11月~2月は開門 午前6:30) |
| 授与所時間 | 毎日 午前10:00 ~ 午後4:45 |
| 公式サイト | https://sugajinjya.or.jp/ |
須賀神社の御祭神とご利益
須賀神社は二柱の神様を主祭神としてお祀りしており、それぞれのご神徳(ご利益)をいただけます。
主祭神:須佐之男命(すさのおのみこと)
八岐大蛇(やまたのおろち)退治の神話で知られる、強力な力を持つ神様です。「須賀」という社名も、須佐之男命が出雲の「須賀」の地に宮殿を建てた神話に由来します。
主祭神:宇迦能御魂命(うかのみたまのみこと)
「お稲荷さん」として広く知られ、五穀豊穣や商売繁盛を司る神様です。須賀神社は、元々この宇迦能御魂命をお祀りする稲荷神社として始まりました。
主なご利益
二柱の神様のご神徳から、須賀神社は特に以下のご利益で知られています。
- 災難除け・厄除け: 須佐之男命の強力な神徳により、あらゆる災難や厄から身を守ってくださるとされています。
- 商売繁盛・金運招福: 宇迦能御魂命のご利益に加え、後述する期間限定のお守り(一陽来福御守)も金運アップで有名です。
- 開運招福・諸願成就: 四谷の総鎮守として、地域の人々の様々な願いを聞き届けてこられました。
須賀神社の歴史と由緒
須賀神社は、もともと二つの別々の神社でした。
寛永11年(1634年)、現在の場所に稲荷神社(御祭神:宇迦能御魂命)が遷座されました。その数年後、寛永21年(1644年)に、神田明神の境内に祀られていた牛頭天王社(ごずてんのうしゃ、須佐之男命)が合祀されることになりました。
これにより「稲荷天王合社(いなりてんのうごうしゃ)」と呼ばれ、江戸時代を通じて四谷の鎮守様として人々の信仰を集めます。明治維新後の神仏分離令により、社名を「須賀神社」と改称し、現在に至っています。
須賀神社の境内の見どころ
須賀神社の境内は、映画の聖地巡礼だけでなく、歴史を感じる見どころも多くあります。
「君の名は。」の聖地「男坂(おとこざか)」
須賀神社を一躍有名にしたのが、社殿の西側にあるこの急な石段です。映画「君の名は。」のポスターや、感動的なラストシーンで主人公の二人が再会する場所として描かれました。
赤い手すりが印象的なこの階段は「男坂」と呼ばれており、実際に訪れると映画の世界観を肌で感じることができます。国内外から多くのファンが訪れ、記念撮影をする人気のスポットです。
穏やかな「女坂(おんなざか)」
男坂の隣には、比較的緩やかで登りやすい「女坂」もあります。男坂とは異なる、落ち着いた風情を感じることができます。
三十六歌仙の絵馬「三十六歌仙絵」
社殿の内部には、江戸時代の画家、大岡雲峰(おおおかうんぽう)によって描かれた「三十六歌仙絵」が奉納されています。これは新宿区の指定有形文化財(絵画)にもなっており、日本の文化的な価値も非常に高い神社であることがわかります。
須賀神社の摂社・末社
天白稲荷神社(てんぱくいなりじんじゃ)
本殿の右奥には、摂社の「天白稲荷神社」が鎮座しています。須賀神社が稲荷神社として始まった当初の姿を今に伝えているとも言われています。
このお社は、第二次世界大戦の空襲で須賀神社の境内が大きな被害を受けた際も、奇跡的に焼失を免れたという逸話が残っています。そのため、特に強いご神徳があると信じられています。
須賀神社の御朱印とお守り
参拝の証として、御朱印やお守りをいただくのもおすすめです。
御朱印の種類と受付時間
須賀神社では、本殿の「須賀神社」の御朱印と、摂社「天白稲荷神社(大國社)」の御朱印をいただくことができます。
- 受付時間: 毎日 午前10:00 ~ 午後4:45
- 初穂料: 500円~(種類による)
※以前は書き置き(紙での授与)のみの対応でしたが、最新の状況は現地でご確認ください。
おすすめのお守り
須賀神社には、強力なご利益をいただけるお守りが揃っています。
- 一陽来福御守(いちようらいふくおまもり) 冬至(12月頃)から節分(2月3日)までの期間限定で授与される、大変人気のあるお守りです。金銀融通・金運招福のご利益で知られ、このお守りを求めて遠方から訪れる人も多いです。
- 茅の輪守り(ちのわまもり) 通常、茅の輪くぐりは6月と12月に行われますが、須賀神社では御祭神の須佐之男命にちなんだ「茅の輪守り」を一年中(通年)受けることができます。災難除け・厄除けのお守りとして人気です。
須賀神社へのアクセス・駐車場情報
須賀神社は複数の駅から徒歩圏内にあり、アクセスしやすい場所にあります。
電車でのアクセス
- 東京メトロ 丸ノ内線 「四谷三丁目駅」3番出口より 徒歩約7分
- JR中央線・総武線 「四ツ谷駅」赤坂口より 徒歩約10分
- JR総武線 「信濃町駅」より 徒歩約10分
車でのアクセス・駐車場
- 駐車場: 参拝者用に7台分の関係者駐車場が利用可能です。(出典:公式サイト「よくある質問」)
- コインパーキング: 神社周辺には複数のコインパーキングが点在しています。満車の場合はそちらの利用もご検討ください。
Googleマップ
[東京都新宿区須賀町5]須賀神社とあわせて巡りたい周辺スポット
参拝の後は、歴史と現代が交差する四谷・荒木町エリアの散策もおすすめです。
おすすめランチ・カフェ
- 荒木町(あらきちょう): 須賀神社のすぐ近くに広がる荒木町は、かつて花街として栄えた風情あるエリアです。隠れ家的な割烹やフレンチ、イタリアンなどの名店が軒を連ね、ランチ営業をしているお店もあります。
- 四谷三丁目駅周辺: 駅周辺には「丸橋珈琲」や「OSLO COFFEE」など、一息つけるカフェも充実しています。
立ち寄り観光スポット
- 消防博物館(四谷三丁目駅直結): 江戸時代から現代までの消防の歴史を学べる博物館。入場無料で、大人も子供も楽しめます。
- 新宿御苑: 少し足を延ばせば、都会のオアシス「新宿御苑」もあります。四季折々の自然を感じながら散策するのも良いでしょう。
まとめ:須賀神社で災難除けと「聖地」の空気を感じよう
新宿区四谷に鎮座する「須賀神社」は、大ヒット映画「君の名は。」の聖地として有名ですが、それ以上に「災難除け・厄除け」の強力なご利益をいただける、四谷の総鎮守です。
映画の感動を思い出しながらあの階段を登り、歴史ある社殿で手を合わせ、天白稲荷神社で空襲を免れた強運にあやかる。そんな多層的な魅力を持つ神社です。
金運アップの「一陽来福御守」や、通年受けられる「茅の輪守り」など、ここでしかいただけない授与品も見逃せません。ぜひ一度、四谷の須賀神社を訪れて、そのご神徳と特別な空気に触れてみてください。
須賀神社に関するよくある質問(FAQ)
(Q) ご祈祷は予約が必要ですか?
(A) はい、ご祈願(ご祈祷)は原則として予約制です。公式サイトに記載の電話番号(03-3351-7023)にて、事前に希望日時を予約してください。ただし、正月期間(元旦から3日、1月中の土日祝日など)は予約不要で、受付順の案内となる場合があります。
(Q) 駐車場はありますか?
(A) はい、公式サイトによると、参拝者も利用できる「須賀神社関係者駐車場」が7台分完備されています。
(Q) お守りや御朱印は何時から何時までいただけますか?
(A) 授与所(お守り、御朱印、お札など)の受付時間は、毎日午前10:00から午後4:45までです。開門時間(午前6:00)とは異なりますのでご注意ください。